わたしの子ら

マンションの扉はおもくて

ちいさい指はポキンと折れた

鍵のかかる場所は他にないから

わたしの天国はトイレの中

 

夜中に助手席に乗せられて

殺されるとぼんやり思った

あの時きっと、もう死んでいた

 

布団の下で毎晩祈った

よく知らないなまえをありったけ並べて

見よう見まねのやり方で

それでもいつか天上の誰かが

わたしに糸を垂らしてくれるようにと

わたしに光をと

 

かみさま、ほとけさま、マリアさま

かみさま、ほとけさま、マリアさま

かみさま、ほとけさま、マリアさま

どうかわたしを、たすけてください