抱かれた夜、死んだ朝

安っぽいピンクの毛布
可愛くないフクロウの絵
ぼろぼろの裂けた生地
ひたすらに繕って
何年も抱いて眠っていた

ぼろぼろの裂けた生地
見窄らしいピンク
ある日突然母親が捨てた

その日から
天井をみてすごし
朝には死んだ
夜になるたび
何回も死んで
何回も何回も死んで
また死んで
生まれ変わる隙間無く
何回もただ
無駄死にをした
安っぽい毛布一枚の
その業
繰り返し死んで
朝はいつも来なかった