2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

神を疑わぬひかり

いのちに何があったのか失われる足跡は確かに存在していたのか 晴れの日の朝の校舎に陽が差していますチャイムの音にも平等ですそれがあなたのようなものでした毎日おなじ単調でした 猫が塀からとびおりてあるくのですうしろ姿にあなたをみていましたバスの…

酸欠

足音は小さすぎてきこえない ピンク色の列車が走り出して 無表情がみんな詰め込まれている この先の行き止まりにもいかれないわたしは 「だれか」と その発声の仕方もとっくに忘れていた月を見ても何もおもえず だってこの公転もうたがわしい どうして大地に…

空を知っていた

「精一杯やったけど 君のために 何かなっただろうか」ようやく封をあけた手紙には 丁寧にちいさく書いてあって 17年ぶりに呼吸一つできた 窓からは夕焼けのグラデーションが見えた血肉を越したそれからの生活は 多くて何も持てなかった だいじなものは身体の…

還る

なにもなく誰もいない だから 海によばれてしまったざわめく甲高く 波が叫ぶ声をききながら 幼稚園のころから泣いてばかりいたことを 思い出した はるか彼方 海の遠くで何かが静かに痛んでいた幾つかの海を数え終えたら すこしだけ清々しくなって ああなんだ…

冬めぐり

一瞬の高揚に 冬の血が沸いたのですわたしの足音を幾つ数えても 辿り着けなかった場所には 温度 生きているにおい 欲しかったものすべて 寒空の彼方にあるから まいにち大事に眺めているうちに ようやく季節が諦めていくのです 赦されて 花が咲いて 微笑むし…

青空に傷む

ひとが青空で傷んでいきます絶望までのあと僅かな熟成 ただ一直線に祈りながら 瞬きをする隙なく 目が乾いてしまいました鳥が一羽飛翔 その小さな力でさえ 電線が撓んで世界が揺らいでいきます わたしが傷んでいきます 知りもせず ぴいぴい啼いています まだ…