冬めぐり

一瞬の高揚に
冬の血が沸いたのです

わたしの足音を幾つ数えても
辿り着けなかった場所には
温度
生きているにおい
欲しかったものすべて
寒空の彼方にあるから
まいにち大事に眺めているうちに
ようやく季節が諦めていくのです
赦されて
花が咲いて
微笑むしかなかったのです