2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

死んだのがにくい

愛したり愛されたりしたことがあったように思う。 わたしは頭がずれている。だから、わたしを愛してくれた人はわたしの三十才も年上だった。この前死んだ。 先に死ぬということはずっと前から覚悟はしていたけれど、いわば恋人を喪失したというこの重たさは…

わたしのあなた

幾日も過ぎ この街に孤独なわたしひとり あの角を曲がると夕焼け、辻に吹く風、線路の音はがたんがたん 空白また空白 祷りが消えて空白 何処かに閉じ込められている 一日が切り裂いている 大きな川の彼岸に立つ 11月に死んだわたしのあなた

ろくでなしにも春が来る

これでもかと言う 南天だらけだ 嫌だった わたしは全てを忘れてしまう 軒下の大根は年の終りに首吊りをする ろくでなしにも春が来る 詩人Z ろくでなしにも春が来る朗読 クヮン・アイ・ユウ&武田地球#朗読 #ポエトリーリーディング #詩 #達磨さん #春 #ろく…

わたしレンズ

ドラえもんのび太の宇宙開拓史という映画のワンシーンに、部屋の畳が他の星に繋がっているという描写がある。奇跡的に他の星と繋がったその穴は、だんだんとずれていき、やがて、ただの畳に戻る。このシーンがとてもすきだった。 わたしの精神はときどきどこ…

朗読と念仏

そういえば、以前、詩人Zの相方さんとポエトリーリーディングと念仏は似ているという話をしていた。 般若心経も詩だ、と言われて、まさにそうだとおもう。お経はテキストに願いをこめている。長い年月を経て失せた詩情がそこにある。 詩人Z 「一詩不乱」 早…

調和のお花畑

ライトな語り口とよく評されるのだけれど、単純に語彙がない。それからわたしは空気がすきだ。だから確固たる文字の力で表現されたものとは、存在するものの次元が違う。わたしには調和をあらわすことが重要だ。これはある種の発達の障害でもあるが、調和の…

うたの続き

魔法使いのあの子が ぼくがあなたの母親になるからと じゃらんとギターを鳴らして 姿を変えた夜 わたしは何度も何度も名前を呼んで 声が枯れた 幸福の鳩が飛び回る マンション7階の部屋の 1歳のわたしが泣いた同じ場所で 過去を洗いながら詩を書いた日々 か…

「大阪のミャンマー」の話

今日はわたしの詩の朗読作品を褒めてもらえて、うれしかった。 この大阪のミャンマーは、テキストも動画もリーディングも、すきだ、すきだ、だいすきだ。それにわたしだけではなくて、たくさんの人が、「地球さん。これは何か、よいですね」と言ってくれた。…

生き水

目を閉じてひとり 水中にて 永い夜を乞う 星空は遠く きみたちも消えた あぶくを吐いて 散り散りに哀れ ああ、これがわたしという 単細胞生物の死 ようやくの水底 一条の光 うすらわらいを照らす いのちの重力よ

ありがとうのかみさま

ここはわたしの部屋 ほんとうの光がある 空からわたしを見ている あなたたちはかみさま わたしはまいにち 憂鬱をかぞえて暮らす それなのにせかいは 愛と死であふれかえっている だから ありがとうのかみさま まだ生かされているわたしは だれか、だれか、と…

あなたへ

ここはわたしの部屋。ほんとうにホッとするのだ。宣伝もせずにしずかにつづけてきたこのブログにもどこからか見に来てくれる人がいる。あなたたちはかみさまだ。わたしはあなたがだれかを知ることができない。わたしはふと、まいにちまいにち憂鬱なことをか…

おべんとうごっこ

1、 おにぎりがうまく握れなくて泣いた、わたし 2、 からあげとミニクーパーと水筒とぼくらの季節はいつも夏 3、 弁当は折られたサカナのぎゅうぎゅう詰めだよ、ありがとう 4、 汚い手、綺麗に焼かれた卵焼き、の味

似たような線

冷たい水は「まだ死んではいけない」というのに あなたには「死ね」と言われているようだった いつもの通り道では 大して知らないおじいさんがこっちを見ている あの人には何が、わかっているのか アスファルトの中できらきらとひかっている何かは 「還れ」…