2019-07-19 夏の果て 詩 今年は涼しい日が続いているというのに 夏バテしないようにねと 友より便りが届いた 遠さ優しさありがたく ところがこちらの空を見上げても雲ばかりだ あの夏は酷く暑かった 空に青と入道雲の白 耳障りな蝉時雨の中 手は汗ばんで 繋ぐとそれだけで DNAを交換している 熱と安堵の悦びがあった それからずっと今でも蝉が嫌いだ この冷夏では きっと彼の声も少ないだろうと思い とてもみすぼらしいわたしだ あの人たちはどこか遠くのいつかの夏 とてもみすぼらしいわたしだ