未必の故意

墓石に水が流れた、

おとうさんは欄干でクビを吊った、

ぬるいリンゴ水を欲しがった

 

入道雲はだいきらいだ、

おとうさん、おとうさん

 

低かった空は、とおくなって彼方だ、

屋根に三角、たわむ電線、

季節変わりの混ざりゼミ、

ひとがみんな、畑に立てられている野菜、

 

手首のうすい動脈をみているわたしは、

ガタン、立ち上がった朝