2018-10-17 わすれ形見 詩 あろうことか忘れてしまった 声も形も温度も あたまの隅にはほんの少し なんだか無様なことばかり置き去りにされていて お湯がでなかった日のこと 起きたらひとりだったこと おにぎりをうまく握れなかったこと 三つつなぎのプリンのこと ときどき怒鳴りあったこと 陽炎がきらきらしている ちょっとも違わずあの日の海の景色があって 涙が出るとよけいきらきらしてしまう