酸欠

足音は小さすぎてきこえない
ピンク色の列車が走り出して
無表情がみんな詰め込まれている
この先の行き止まりにもいかれないわたしは
「だれか」と
その発声の仕方もとっくに忘れていた

月を見ても何もおもえず
だってこの公転もうたがわしい
どうして大地に自立しているのかを考え始めたらもう
ここに生きる資格なんてないに等しい

どこか遠くを目指していきたい
そう思って大きく深呼吸をしたら肺に水が溜まった

生きている回数はもう限られていて
5分あれば数え切れる
滑稽さを消化しきれないから
嘔吐また嘔吐のような日々の暮らし

ゆっくり眠りたい
ただそれだけの願い、愚か