神を疑わぬひかり

いのちに何があったのか
失われる足跡は確かに存在していたのか

晴れの日の朝の校舎に陽が差しています
チャイムの音にも平等です
それがあなたのようなものでした
毎日おなじ単調でした

猫が塀からとびおりてあるくのです
うしろ姿にあなたをみていました
バスの人の群れにあなたの顔をさがしているのです
ただじっと
そのようにしていました

いま熱湯をかぶっても夢から覚めなくなったこの氷漬け

いつか時間の重さに潰されて消滅していきます
いのちを数える残りももうありません
すべてのありのままを投げ打ったら
あとひとつだけ声をきかせてくれましたか

根雪のその下の季節にはあなたが倒れて死んでいて
血眼で助け出そうとするこの掌は真っ赤になって腫れていきます