2018-02-05 あの日の空は無数 詩 バターが溶けないうちにパンを齧る 朝の陽はいつもどうしてあたたかなのか毎日ひとつひとつを数えても ざあざあと零れていった 苦し紛れに仰げば空が 唐突なあの日の光景で あれからひとり ずっと春待ちの哀れ夜苦しさで並べたあなたからの手紙には 「自転も公転もうそだ」 と書いてあったから それだけを信じてきたのに 日々が重なるに連れて なにが間違っていたのかを知ったそれなのに確かに あの日のふたりの空は 幾つ越えても失われなかった だからどうにかひとり 死ぬばかりでもあるがままを行く