2019-04-01 子守唄 詩 干からびた母がバスタブに沈んでいる 生きるに足が竦んだ 一歩はこんなにも遠い 二歩は尚のことだった わたしから染み出る水滴が下水へと流れていく 外からは春が聞こえる 季節を知らせる人はだいぶ遠くへと去った ひとり、春泥の中を足掻いている