かわいい銃口

日々の生と死とに溺れ

溺れた魚、ようやく浮上息継ぎしてなお

いま自らがたましいに突きつけるこの銃口がかわいい

引き金を引いてもいい事が無いし

いっそうコストがかかるから止めた

チョコレートを食べるほうが幾らかましかと計算して

ようやく街にでては、はたと、絶望

生活をする隙間の時間に

溶けただいすきなチョコレートの欠片が刺さって

ああ、勿体なかったと泣く

たましいに突きつけるこの銃口

「しにますように」と願った

生まれ変わってずっとずっと遠くの街で

詩人でもないのに一生懸命詩を書いて

ややこしくなる前にぐちゃぐちゃに溶けて

それでもなんとか生活をしていたい