いのちが海を呼んだ

砂粒数えてあそぶ
途方もない悪ふざけで生きてきた

二人だけの果てしない海は真夜中
誰もいなくなってからようやく命がはじまる

砂のトンネルを掘るうちに
世界は失われていく
気が付くと
ひとり波の音をきいていた

生まれてずうっと欲しかったものは
ただの砂の塊
波の音がざあざあとしていた
ひとり波の音をきいていた