夏のわたしごっこ

いのちがたおれるまで全力ではしろう

その先で海に駆け込んでおぼれて死のう

生き死にを一方的にさかのぼり

ちいさくなっても夜通し話しを続けよう

原始でもまだ笑おう

太陽がまぶしくてもう痛い

 

ねえ、どうしても限りが在る

 

かなしみもよろこびもただひとつだった

心が息をしているのだった

すこし先でだれかがとまってしまった

わずかな運動に静かに涙する

あなたの瞳はいつもただしくゆれているうつくしい波だった

 

ちいさなことばが集まってやがて身体をつきやぶり

世界が共鳴してあざけりようやくみんなまた死んだ

二度と生まれはせずに

この空を誰も見なくなったから

少しだけくるしいとおもった

 

その後にもだれかが手をつないで這っていった

だからもうどうしようもなかった

この夏は通り過ぎるだけ

もうどうしようもなかった